このEF58形61号機は、1953(昭和28)年日立製作所水戸工場で製造され、当初から御召専用機として製造され、東京機関区に配属されました。
以後移動なく現在に至っております。
御召機と一般のEF58形と違いは、飾り帯を全面に這わせる、台車の主要部等を磨き仕上げ、速度計を助士席側にも設置、供奉車との連絡用電話・機関車前後運転台間の送話管の設置、電動発電機用界磁抵抗管の増設、自動連結器上錠揚止装置の取付け、国旗掲揚取付座設置です。
御召機故にトラブルはゆるされず、そのために整備・保守の努力は並々ならないものがありました。御召牽引は1953(昭和28)年10月19日、松山国体にご出席される時、東京~名古屋間に使用されたのが最初で、以後100回以上御召牽引の任につき、歴代の御召用機関車の牽引回数を上回る輝かしい記録を持っています。現在では、御召運用より各種イベント列車の先頭に立ち活躍する機会が多くなりました。
当社でも設立50周年を記念して、1999(平成11)年10月3日にイベント列車を上野~横川間に走らせましたが、上野~高崎間を61号機が担当しました。
今回製作いたしました61号機は、これまで何度かの改良を施し、販売をしてまいりましたが、50周年を節目として、軸箱可動を主に下廻を大幅に変更いたしました。パーツ点数も数倍も増えております。