C54形の改良形であるC55形は、1935(昭和10)年に製造が開始され、1次形から3次形まで62輌が製造されました。この機関車の形態上の特徴は、1,750mmの水かき付スポーク動輪、棒台枠をC形機で初採用、スチームドームとサンドドームが一体になり、全面的に溶接工法を採用しリベットの使用が減ったことです。また、1次形、2次形及び3次形では、それぞれ出場当初の外観が異なっています。3次形は形態的には後のC57形に近く、2次形と同様に1次形より短い全長として、亜幹線で使用されている18m級のターンテーブルにも載るよう考慮され、四国以外の主要幹線を含む全国に配属されました。
C55形は、配置後、その地域に合わせ個々の改造が施され、様々なスタイルになっていますが、今回製作したのは、標準的なスタイルでATS取付け後のものと九州最後の現役蒸機として1975(昭和50)年3月23日、日豊本線西鹿児島~宮崎間の「蒸機お別れ列車」を牽引した57号機の2種類です。
注)57号機は、「お別れ列車」時のスタイルではありません。