C59形は、大型旅客機C53の後継機として製造されました。C53は3シリンダで保守に難点があったため、C59は性能で上回るだけでなく、保守を容易にすることも念頭において設計されています。
1941(昭和16)年の誕生以来、173輌が製造されています。このうち、1~100号機は戦前型、101~132・156~196号機は戦後型です (133~155番は増備計画の縮小のため欠番)。戦前型から戦後型への主な変更点は、先輪・従輪のプレートの車輪化、ボイラー径の拡大、船底テンダーの採用などがあります。とくに、船底テンダーにより、全長が21,360mmから21,575mmへ伸び、日本最長の蒸気機関車になりました。天賞堂はこの船底テンダーの戦後型をベースとした、下記7種類の鉄道模型を製作致しました。
【108号機 お召仕様】
ランボード上には手すりを装備し、お召列車特有の磨き出しを再現しています。各部には色差しを施しました。
【124号機 門鉄デフ】
九州で活躍したC59形の中でも、門鉄デフを装備していたのは124号機のみです。デフレクターのほか、泥溜めの位置など九州タイプ(普通デフ)との細部の違いが楽しめる鉄道模型です。
【127号機 オイルテンダー 】
954(昭和29)年、鷹取工場で重油専燃仕様に改造された蒸気機関車です。テンダーは完全に重油タンクとなり、ボイラー側も燃焼室や火格子が撤去されています。改造後は、京都~米原間で準急『ゆのくに』の牽引に使用されました。
【161号機・164号機 呉線時代】
1970(昭和45)年、C59形で残っていたのは、糸崎で使われていた3輌のみでした。その内の2輌がこの161号機と164号機です。呉線において急行『あき』を牽引する姿が人気を博していました。この鉄道模型は、161号機と164号機の細かな違いを極力再現しています。
【九州タイプ (普通デフ)】
1956(昭和31)~1965(昭和40)年、熊本以北の鹿児島本線で使用されていました。この鉄道模型は、『あさかぜ』をはじめ、九州内を走る20系ブルートレインや優等列車の牽引に活躍していた昭和40年代頃のものを原型にしています。
【山陽(東海道)タイプ】
戦後型オリジナルの動力逆転器を装備しています。東海道全線が電化される直前から1960(昭和35)年まで、山陽本線で中心的に使われていた型番をモデルにしました