明治時代に建造された戦艦三笠にはユリス・ナルダン社製のマリン・クロノメーターが搭載されています。三笠が建造された同じ時期に天賞堂はユリス・ナルダンをはじめて日本に紹介したという背景から三笠に搭載されているマリン・クロノメーターも天賞堂となんらかのつながりがあったことが推測されました。そこで調査したところ、本品が1918 年にユリス・ナルダン社が製造した物であることは同社の台帳から判明しました。
2008年12月、銀座天賞堂は、創業130周年記念事業として、ユリス・ナルダン社に戦艦三笠に搭載されているマリン・クロノメーターの復元修理を依頼しました。スイスに送られたものの修理は困難を極めました。退職したベテラン技師までもが加わっての作業となり約5ヶ月を要しました。しかしマリン・クロノメーターは元のように息を吹き返し、2009年(平成21年)5月、日本海海戦104周年記念式典で無事返還することができました。