9600形蒸気機関車は本格的国産標準機関車の第1号とも言える大正時代を代表する名機関車で、国鉄時代最後まで働いた機関車でもあります。
1913(大正2)年から1925(大正15)まで14年間にわたって770輌が製造され、キューロクの愛称で親しまれ、四国を除く全国各地に配属されました。9600形の構造上の特徴としてまず挙げられることは、1D型の軸配置にもかかわらず広火室を採用したためボイラーの中心位置は2,594mmとなり、C62形に次ぐ高い位置となりました。
性能的には従輪がなく重心の高い構造は高速運転には向いていませんが、強力な牽引力を発揮するため重量貨物列車や入換機、勾配線の補助機関車として適しています。また軽い軸重や扱い易さが9600形を長く使用された要因ともなりました。
今回製作いたしました"2ツ目" 9600形は北海道だけに見られた形態で、これはカーブの多い岩内線での視認性の向上、胆振線での落石早期発見のための装備で、特に給水温め器を装備していた79615他79616・79618等は印象的な機関車でした。
今回の79615号機は以前製作した"2ツ目"79616・79618では出来ませんでしたヘッドライト点灯を可能といたしました。