数あるC55形の中でも最後まで活躍していた、耐寒仕様の50号機と、変形門鉄デフの52号機を鉄道模型化しました。 九州タイプはそれぞれ吉松時代と若松時代で作り分けています(大きな特徴の違いは、デフ下部形状です)。
※本製品の説明書に、52号機に回転式火の粉止めパーツが添付してある旨を記載しておりますが、正しくは50号機のみに添付されるパーツでございます。ここに謹んで訂正致します。
概要
急行旅客列車用の機関車です。 1935(昭和10)年に川崎で1号機が作られ、一次から三次に分けて合計62輌が製造されました。
パシフィック製ではじめての棒台枠、リベット工法から溶接工法を大幅に取り入れた接合方法、双頭式バイパス弁や排気膨張室が特徴として挙げられます。先台車のエコノミー式復元装置が採用されたのも、この形式からです。蒸気ドームと砂箱を1つのケーシングで覆い、カバーの中に収められた点も大きな外観的特徴。また、キャブ前面の左右に後退角を配置し、スポーク動輪を強化するための大きな水かきが付けられています。
一般的に一次型が標準スタイルと定義されています。二次型は世界的流行に沿った流線型で製造されましたが、三次型は一次型のスタイルに戻されました。形態はほぼ同一ですが、キャブを小型化し、テンダー後位の台車を前方に詰め、全長を100mm短くした点が異なります。 また、全国各地に配置されたC55の形態は、地域により改造が施され異なる外観を持ちます。
北海道タイプの特徴
運転室前面窓に旋回窓を取り付け、キャブを密閉式に変更した、耐寒仕様です。函館・宗谷・室蘭・千歳線で採用され、主に普通列車牽引役として活躍しました。急行『利尻』を牽引した機関車としても有名です。
九州タイプの特徴
砂撒き管の増設や、デフ上部に取り付けたリンゲルマン式煤煙濃度板、門鉄型に改造されたデフレクターが主な特徴です。門鉄型デフレクターは何種類かありますが、52号機のデフ形状はこの機関車にしか使用されていません。この52号機は大分区時代にロングラン運用を考慮し、51形12号機のテンダー車に振り替えられました。52号機と57号機は、C55形として共に最後まで活躍しました。