C55形の改良版である急行旅客用蒸気機関車 C57形は、その優美なスタイルから「貴婦人」と呼ばれ、四国を除く全国で活躍しました。国鉄で最後の蒸気機関車牽引による旅客列車(動態保存を除く)を牽引したのもC57形です。
新製後数年で九州に転属した117号機は、長く標準デフを装備していましたが、昭和42年に廃車となったC55形 60からデフを譲り受け、いわゆる門デフに交換されています。門デフ姿となった117号機は、昭和48年4月に宮崎県で行われた植樹祭の時にお召列車牽引機として使用されました。C57形としてお召列車牽引に使用された最後の機関車でもあります。九州でのお召列車牽引機の特徴として、前面にヘッドマーク並みのサイズがある菊の御紋章を付けていました。
また、117号機も牽引にあたった「日向3号」は、優等列車として最後の蒸気機関車牽引列車となっています。