EF13形電気機関車は、第二次世界大戦末期貨物輸送増強にともなう機関車の不足から、資材不足の中で製造された戦時設計の凸型電気機関車です。 完成後は東海道本線・上越線に配置されましたが、徹底した資材の節約で造られたこの機関車は故障や高速度遮断器省略等による事故が多発しました。 このため1948(昭和23)年に高速度遮断器の取付、PS13パンタグラフからPS14パンタグラフへの交換、デッキ部分の取付、砂箱も各動輪に1個ずつ取付等が行われ、戦時設計された部分を標準仕様へと装備変更が実施されました。
この改良工事により機関車の信頼性が増し、東海道本線では1200t貨物列車牽引の主役となり、上越線では補機運用をはじめとして旅客列車や貨物列車の牽引に当たっていました。 標準仕様に改良はされましたが、戦後に製造されたEF15形等の機関車と比較すれば 戦時中に製造された機関車としての構造的な問題点は解決したわけではありませんでした。 奇しくも同じ数輌であった箱型のEF58形が暖房用蒸気発生装置を搭載するために車体を新製したため、余剰になった車体をEF13形に載せ替えることになりました。 車体交換後も東海道本線や中央本線等で活躍、特に冬場の中央本線では暖房車を伴い客車列車を牽引している姿が印象深いです。また、不評にもかかわらず30年以上全機が揃って活躍していたことは特筆すべきです。