EH800形は、2012年(平成24年)に登場した、JR貨物の交流電気機関車です。
この機関車は、2014年(平成26年)の北海道新幹線開業時、青函トンネルを擁する海峡線の新幹線・在来線共用化により、電圧・保安装置の変更に伴って使用ができなくなる、ED79形・EH500形の代替として製造されました。
既に同区間でも運用実績のあるEH500形をベースに、DS-ATCやLCXを使用したデジタル列車無線の搭載、台車軸箱下への車両逸脱防止L型ガイドの取り付けなど、共用区間に対応できる保安装置・設備を新たに装備しています。
また、在来線区間と共用区間の両方を走行する為に、交流20,000Vと交流25,000Vの複電圧対応となりました。
EH800形とEH500形とでは、外観上の差異も多々見られますが、中でも2エンド側車体両側面に設けられた、LCX用アンテナカバーの膨らみがひと際目を引きます。
このカバーの存在は、白・銀帯を配した鮮やかな赤い車体と共に、他のJR型電気機関車には見られない、EH800形特有のものとなりました。
試作機901号機を使用した各種試験の後、2014年(平成26年)から量産と営業運転が開始され、2年後の2016年(平成28年)12月には、901号機・1~19号機の20輌が出揃っています。
全期が五稜郭機関区に配置されており、通常は東青森・青森信号場~五稜郭で、主に貨物列車の牽引に就いています。
JR東日本E26系客車を使用した団体専用臨時列車『カシオペアクルーズ』『カシオペア紀行』が運転された際には、青森~五稜郭でそのエスコートも務めました。
製品は量産機をモデルに模型化いたしました。貨物列車と『カシオペア』、どちらを牽引させてもお楽しみいただけます。