EH10形は、東海道本線米原電化にあわせて開発された、貨物用直流電気機関車です。単機で1200t級の貨物列車を牽引して関ヶ原が越えられるよう、2車体永久連結の8動軸機となりました。極力コンパクトにするため、棒台枠構造をやめ、ボギー構造にすることで先台車・デッキを廃しました。
EH10形は牽引力だけでなく高速性能もすぐれており、ギア比を変更し高回転モーターに換装した試験機・15号機は最高速度120km/hを達成しました。特急「つばめ」の牽引に試用されたのち一般仕様に改造されています。
登場時グレーだった足回りは昭和34年頃から黒塗装に改められました。この作業と前後して前面の手すりやステップの増設・大型化なども行われており、避雷器もLA12からLA15に換装しています。昭和50年代にはいると一部の車輌のパンタグラフが下枠交差形のPS22に交換、側面フィルターのビニロックへの交換が行われました。
昭和56年に全廃となり、唯一61号機のみが東淡路南公園に保存されています。