1956年(昭和31年)11月19日、東海道本線全線電化の日、淡緑5号に塗られた特急用客車とその牽引機のEF58形が突如として現れました。
煤煙等の汚れを懸念して、ほとんどの客車がこげ茶色(ぶどう色)の時代、後に『青大将』と呼ばれるこの塗装はセンセーショナルなもので、同時に無煙化の象徴でもありました。
機関車交換なく全線EF58形が牽引するようになった『つばめ』『はと』は、東京~大阪間を7時間半で結びました。
当時、国鉄で“特急”とは『つばめ』『はと』のみを指し、最高峰の列車として高い人気を誇り、特に『つばめ』は通年で増結され、15輌で運転されることが多々ありました。
電車特急の登場により、展望車を連結した『青大将』は4年足らずの活躍で終焉を迎えましたが、その威風堂々とした特急編成は、間違いなく日本の鉄道史に欠くことのできない存在です。
☆編成例☆
・『つばめ』は本来12輌編成でしたが、人気のため増結が常態化していました。
・2等車は1957年(昭和32年)10月から12月にかけて、スロ54形からナロ10形へと置き換えられました。
・置き換えは編成単位で行われたため、編成中にスロ54形とナロ10形が混在することは、ほとんどありませんでした。