スペイン国鉄の総称は、Red Nacional de los Ferro Carries Espanoles であり通称RENFE(レンフェ)と呼ばれている。
開業は、1848年でバルセロナ近郊区間からの路線開通であった。現在は、首都マドリットを中心として各都市に向けて路線は延びており、路線の総延長
13,600km。その内電化されているのは、約半分の約6,900kmとなっている。開業時から約1世紀半あまりの間は、世界標準軌間のレール幅(1,435mm)よりも23.3mmも広い所謂、広軌1,668mmでそれらの路線は延長していった。
なぜ?この国はヨーロッパ大陸の標準軌間を採用しなかったんでしょうか?
歴史は語る。18世紀初頭、この国を事実上支配していたのは、フェルナンド7世でした。常時、隣国であるフランスからの侵略にたえず脅かされ続けていた。
1808年5月2日、ついにこの国に向かってフランス・ナポレオン軍が本格的侵略のため、コマを進めた。この日、この国の多くの市民がこの戦いに挑んだが、翌日には、そのほとんどの市民が帰らぬ人となってしまった。
この戦いを幼い頃に身を持って体験し、将来この国家の君子となっていったイザベル2世は、隣国フランスからの鉄道を使った侵略を完全に防ぐように鉄道による鎖国を提案し、約40年後に本格的開業の日の目を見たこの国の鉄道のゲージは、1,668mmのレール幅が採用されて行った。
現在は、1992年にバルセロナオリンピック開催のため、開通したスペイン版高速新線AVE(アベィ)路線にはヨーロッパ標準軌間1,435mmが、それ以外の在来線には1,668mmと主に二つのレール幅が存在している。《※北部地域を中心とした一帯には、FEVEと略されているRENFEと姉妹関係の国営狭軌鉄道、レール幅が1,000mmの路線網も約1,300km存在している。》
さて、数多いこの国の車両の中で唯一この二つの異なった軌間を自由に行き来できるのが、今回紹介しているTalgo客車である。
その3では、魅力あるTalgo客車の開発から現在までの流れを紹介します。