いつもですと、CONTENTS①では、紹介する国々の基礎的なデーターの確認よりスタートしておりますが、すでにこのプログラムの第16回目にて、紹介済みのため、今回は割愛し、イギリス国内の体験記を二つ、小見出し形式でまとめてみました。
ただし、以下の事柄は、あくまでも私自身が訪れた旅の間に、見聞き、味わった物事であるため、お読みになられたあなたが、実際にこの国を訪問した場合に、必ずや同じような体験を受け、感想を持たれるとは、限りません。(参考程度にして下さいね)
(1) 食文化の変化(in London)
私は、ロンドンにこれまで4度訪れました。始めの2回程は、正直申し上げて、恥ずかしながら、地形の東西南北すら十分に分からず、現地語(英語)も全くと言っていい位使えず、相互理解など程遠い状態でした。ぽ〜と日が射したのは、その後。自己の足を運び続け、幾多の災難とストレスを真正面から受け、自分なりに努力、こだわり、回避した甲斐がありました。
今回も納得のいく完成度ではないのですが、とにかくこの都市の風に若干でもなれました。
さて、21世紀を迎え、ロンドンの街の雰囲気も変化しました。食文化で一番目についたのは、近年日本の都市部においても飛躍的に数を増やしている、Coffee Shopの存在です。(例のスター○○○○や○○○○などが中心)
元来、英国=紅茶という概念は微塵の存在も感じられず、忘れたかのように、いたるところにこのチェーン店があり、今や人々(主に若者)のアフタヌーン・ティ的な存在のようです。
(注)地方はまだまだ・・・・こういっちゃなんですが、紅茶文化が中心でした。ご安心下さい!)
次に、日本食の代表選手? 回転寿司がすでに進出し、イギリス人、特にビジネスマン達のランチメニューの一端を担っておりました。
ちなみに、すし飯本体は、少々バサバサした種類のお米が中心のようです。
聞くところよれば、"日本食は健康的で、体がリフレッシュする"との意見多数。
しかしまあ〜、生のたこやイカを彼らが抵抗なく、醤油に浸し、口にしているこの姿・・・少々ミステリアスに感じてしまうのは、多分私のみではないはず。
近いうちに、店内から"お愛想〜"などという日本語が聞こえてくるかもしれませんよ。
(2) 列車内からのエトセトラ・・・
今回の旅では、限られた日数を自分なりに有効活用するため、この旅のベースキャンプは基本的にロンドン市内としました。
前回のこのプログラム(第18回目・500系新幹線編)にて紹介した0系新幹線をYorkの国立鉄道博物館内で、よーく見学した後、島を縦断するかたちで、どんどん左に進みSheffield(シェフィールド)やビートルズの生まれ故郷でもある、LiverPool(リヴァ・プール)などの地方都市も数箇所訪れてきました。
各地各都市共に、首都・ロンドンとは、一味もふた味も異なっており、それぞれに人々の息吹を感じました。
移動中の各列車内で、気がついたその1は、携帯電話の普及率の高さと共に、私たちならば、決して話続けないであろう車内通話。とにかくピーピーザワザワと終始騒がしく、おしゃべり文化を経験しました。
(※こう感じること自体、日本人なんだ〜と改めて我を思う。
ただ、私自身はこの間、うただねしつつも、ネイティブスピ—カーらの発する言葉をヒヤリングの練習材料とした○○!)
その2・・・
途中、一時的に首都・ロンドンに舞い戻るために、とある駅より、Midland Mainline(ミッドランド メインライン)社所属のIC125列車内での一幕。
イギリスの鉄道、その多くは、他の欧州各国同様、一部の駅を除いて、改札にて乗車券の確認は行わず、発車した後、各列車内にて、車掌が検札する約束となっている。
IC125の列車が動き始めた。その後、すぐに、"Ticket、Please!"と威勢が良く、元気一杯な明るい女性の声が車内全体に響き渡った。(車掌さんが来た。)
私と同じ駅より乗り、1ボックス先に座った初老の男性、どうやらこの日には乗れないはずの週末限定切符で、この旅をスタートさせたみたい。(乗った直後から不自然な様子!?)
早速、先の女性車掌さんに見つかり、改めて正しい切符を購入するように指示され始めた。
NO!NO!と否定的な語彙をまくし立て、ぐちぐちと言い訳や文句と言い続けるありさま。
そして、驚くことに、この車掌さんが女性だからとセクハラもどきの単語も含み始めた。
一瞬たじろき、後ずさりもした車掌さんでしたが、次の瞬間からは負けておりません。
鉄道の約束、切符の規則から話し始め、社会や人間としてのマナー等々、納得してもらえるように冷静かつ沈着な口調で語り続けておりました。(この間約20分)
それでも、NO!NO!NO!等の文句を会話中に挟むこの男性。
車掌、ついに、堪忍袋の尾が切れた。
"次の駅で警察に突き出す!から覚悟しなさい!"
・・・。
次の瞬間、時を合わせるかのように、前後の牽引機関車(Class43電気式ディーゼル車)もさらなる加速のため、エンジン音を上げました。
結局、その後・・・
この男性自身が恐れをなし、先ほどまでの口調は嘘のように消え、ほとんど無言に近い状態のままで、渋々!?正しい切符の受け取りのため、自己の持っていたV○S○カードを素直にこの車掌さんに渡したのは、自然の流れでした。
ここまでお読みいただかれたあなた自身は、どのような感想を抱かれましたか? ・・・・・・・・。
実際、すぐそばでこれらの光景を垣間見た私の意見や感想としましては、確実にこの男性自身の行動が悪い。しかも、相手が女性であるからと、卑劣極まりない言葉を発する義務があるのか・・・と。
そして、大いなる疑問としては、確かに、近年のイギリス鉄道の切符はややこしく、大変理解に苦しむシステムですが、なぜ?彼は、初期の段階にて、有効な切符か?どうかまずは、尋ねなかったのでしょうか?(どう見ても、現地の人です。予め乗車駅の窓口でもできるはず。)
そして、その後、私自身は、これらの一連のやり取りをもう一段深く掘り下げて考えてみました。
今回も含め、これまで見聞き、体験してきたすべての経験則を単純に表せば、欧米社会はある一面において、自分なりの言葉を持ちつつも、厳格な一定の社会ルールを守るということになります。
幼き頃から、雄弁と朗読の訓練を受け続け、例え他人と異なっていても、正々堂々とそれぞれに自己の考え方や意見を持ち、問いかけられた場合には、まずは、率直に、正直な答えを前面に出す姿。(問いかけを行った者のほとんどは、肯定的な心構えでスタートさせる)
勿論、暗黙で認知済みの社会的なルール、その本質より大きくズレていた場合においては、それらのマイナス要素を受けた者らが、明確に誤った箇所を冷静かつ沈着に指摘し、納得と理解を求め、後においての修正を施す。(※修正不可能な場合は、厳格なルール下にて、制裁の実施)
わが国・日本のような、だんまり(沈黙)文化、そして、万事をいい加減に済ます的な発想や流れは、21世紀の今日でも、この社会間においては、ほとんど存在していないのかもしれません。
きっちりとやる(言う)べき事柄は、可能な限りで完璧に行い、伝える。
それ以外の多くの点については、ある意味、人間臭さを重点に、各個人に自由気ままにさせる、やらせる肯定的で寛大な心。
(P.S)
私自身は、先で登場しましたこの車掌さんの職業的な責任感の強さを、帰国後の今でも、特に印象的に感じております。
紹介したこれ以外の時々でも、人それぞれでしょうが、程度の差こそあれ、個々の志が高いようです。
もう一度、日本に住んでいる私たち自身も、この志に戻る時かもしれませんね。
"Hitch Your Wagon To a Star!!"