国の正式名称も通常、我々が日本国内のテレビや雑誌で見たり、聞いたりした場合と同じままの、その名のとおりズバリ!カナダ連邦。国民の総人口は、約2,961万人である。
正式に国家として完全独立をしたのが、1867年7月1日。今年、2002年のこの日で135年目を迎えている。世界にある数ある先進国家の中では、最も若い位置にあるため、今世紀(21世紀)は、カナダの世紀とまで言われているようだ。
首都は、ONTARIO(オンタリオ)州にある人口約30万人のOTTAWA(オタワ)。他の先進各国の首都と比較してみても、とても小規模に感じている。(この国には、準州を含めると12の州に区分される)
他に主要都市としては、人口の多い順に紹介すると以下がある。
州名 |
都市名 |
人口 |
QUEBEC (ケベック)州 |
MONTOREAL(モントリオール) |
101.5万人 |
ALBERTA(アルバータ)州 |
CALGARY(カルガリー) |
63.6万人 |
ONTARIO(オンタリオ)州 |
TORONTO(トロント) |
61.2万人 |
ALBERTA(アルバータ)州 |
EDMONTON(エドモント) |
57.4万人 |
MANITOBA(マニトバ)州 |
WINNIPEG(ウイニペグ) |
56.1万人 |
BRITISH COLUMBIA(ブリティッシュ コロンビア)州 |
VANCOUVER(ヴァンクーバヴァー) |
43.1万人 |
ちなみにカナダの人口密度は、1平方キロメートルあたり約3人で、3,000万人の国民が面積1,000万平方キロメートルの大西洋〜太平洋までの東西約5,500キロメートルの間に住んでいる事となる。
自然環境は、ロシア連邦に次いで世界第二位の国土面積の997万6.139平方キロメートルと日本の約26.4倍と、とても広大な台地が広がっている。地形的には、大西洋岸のアパラチア台地、中央部のローレンシャ台地、内陸平原(グレート・プレーンス)そして西部の3,000メートル級の山々が聳え立っているカナディアン・ロッキーと大まかに区分される。
気候は、全般的に冷涼で、内陸部は大陸性、北部はツンドラ地帯で、極地気候の特色が顕著である。
民族は、イギリス系45%、フランス系29%、ドイツ系3.6%のヨーロッパ各国の移民に加えて、大昔からの先住民族のインディアン及びイヌイット1.2% 他・・・と今日では、多民族で国家が構成されているようだ。
近年、この傾向にさらなる拍車をかけているのが、中国系移民の増大である。1997年以降、太平洋岸の都市の一つであるヴァンクーバーです。香港の中国返還の影響をモロに受けたためか?中国系移民が大量に増え、別名"ホンクーヴァー"などと呼ばれている。(近い将来にこの地域も、以前より長期間に渡って今なお、民族問題がくすぶり続けている、ケベック地域のようにならなければいいんですが・・・・・)
公用語と宗教は、先程のヨーロッパからの移民の影響を完全に受けたらしく、英語とフランス語が正式な言葉として使われており、カトリック教とプロテスタント教が、その大部分を占めている。
産業としては、広大な森林と、とても豊かな天然の地下資源を持っているので、木材工業を中心とし、石油・石炭・オイルサンド・天然ガス・ウラン・鉄鉱石・ニッケル・銅の産出量が多い。また、太平洋・大西洋岸では、水産業が、隣国の米国から続くプレーリーでは、小麦栽培が積極的に行われている。
さて、ここまで主だったものを一通り紹介してきましたが、これほどの潜在要素を十分に持っている国なのに、この国の人々は、まとまりのない国とも強く、感じているようです。
カナディアン・ロッキー、多民族国家、赤毛のアンのふるさと・・・・・と外から見ると数多くのいろいろな顔とその個性があるように感じるカナダ。
しかし他方(口の悪い言い方)では、"米国の51番目の州"や"米国のコピー"といわれてしまっているのも、伝統文化そのものが米国の写し絵に近いからかもしれません。
ここ最近の10年間で、伝統的な従米姿勢を自ら完全に見直しつつあるようで、カナダ独自の自主性と個性に、最大限に重点が置かれるような舵取りになってきたようです。
このコーナーの最後に、簡単ですが、1867年以降(カナダ連邦結成後)の年表を紹介しておきます。(ご興味ある方は、どうぞ参考にして下さい。)
- 1867年
- BRITISH NORTH AMERICA ACT(所謂、英領北米法)の起草、承認、制定により、カナダ憲法の基本決定。
首都は、オタワに置かれ、自治領カナダ連邦発足。
サー・ジョン・マクドナルド氏が連邦政府初代首相に任命される。
- 1869年
- 「レッドリヴェーの反乱」発生。ルイ・リエルが臨時政府を樹立する。
- 1870年
- マニトバ州がカナダ連邦政府に加入する。
- 1871年
- 太平洋岸のブリティッシュ・コロンビア州が、カナダ連邦政府に加入する。
- 1873年
- プリンス・エドワード島州、カナダ連邦政府に加入する。
- 1885年
- カナダ大陸横断鉄道開通する。
- 1896年
- クロンダイクでゴールドラッシュが始まる。
- 1905年
- アルバータ州、サスカチュワン州の新設が行われる。
- 1900年
- 総選挙実施。フランス系首相の登場。(サー・ウィルフリッド・ローリエ氏)
その後、自治権の拡大を主張する。
- 1914年
- 第一次世界大戦。
- 1919年
- ヴェルサイユ会議にカナダとして単独の代表を派遣する。
国際連盟の加盟。
- 1923年
- 英帝国議会にて、独自の条約締結権の承認を行う。
- 1926年
- 英帝国会議にて、英連邦に連合する。
- 1931年
- 英領北米法、ウェストミンスター条例より立法化。
- 1939年
- 第二次世界大戦。自ら宣戦布告し、連合国に食糧と兵力の供給を行った。
また、隣国である米国との共同防衛体制の締結も行った。
- 1942年
- アラスカ・ハイウェイの完成。
- 1949年
- ニュー・ファンドランド州がカナダ連邦に加入した事により、連邦は10州となる。
- 1962年
- トランス・カナダ・ハイウェイの完成。
- 1968年
- ケベック党の創設。
- 1982年
- 憲法条令の発布。しかし、ケベック州は新憲法署名の完全な拒否。
- 1987年
- ミーチ・レイク協定でケベック州の特別な位を承認する。
- 1990年
- マニトバ州とニューファンドランド州が、ミーチ・レイク協定の署名を拒否する。再度、ケベック州は、1982年の新憲法の署名の拒否。
- 1992年
- シャーロットタウン協定を国民投票で実施するが、拒否となる。
- 1994年
- ケベック党が州の政権を獲得する。
- 1997年
- カナダ下院の総選挙実施。与党である自由党が安定数(過半数)を確保する。
※参考文献 図説 カナダ(河出書房新社刊)
地理用語集 (山川出版社刊)他・・・・・