各州にレールの軌間が異なっていたのがオーストラリアの鉄道。参考までに各州の標準のレールの幅をご紹介すると・・・
- クイーンズランド州
- 1067mm
- ニューサウスウェルズ州(N.S.W)
- 1435mm
- ヴィクトリア州
- 1600mm
- 西オーストラリア州
- 1067mm
鉄道敷設当時は各州がそれぞれ独自にレールの軌間を決めて、その上に列車を走らせていた歴史は有名な話。その後1990年代に各州がひとつのオーストラリア国家を目指すために州間の軌間を世界標準の1435mm幅の統一していった。(ただしN.S.W州鉄道はそのまま)その標準軌間工事はあくまでも州間の連絡においてのみのことであり、それ以外の連絡の必要性のない区間は鉄道敷設時のままで現在も継続運行中である。
今回ご紹介するニューサウスウェルズ州鉄道は世界で最も幅広く使用されている標準軌間の1435mmである。
オーストラリア最大の都市であるシドニー。もちろんN.S.W州鉄道の中心である。
写真1・N.S.W.州営鉄道のCityRail
マーク
N.S.W.州営鉄道のCityRailの最新型ダ
ブルデッカー“タンガラ”(ニックネーム)
N.S.W州鉄道内では、1990年中盤に組織を運営しているセクションの区分を行った。
大きく分けて二つあり、
その①都市圏の近郊区間を運営する組織をCITY RAILとする。
その②中長距離の区間を運営する組織をCOUNTRY LINK とした。
そのためか? その後各車両のサイドにはとてもハッキリと運営組織名を表示しているようだ。
(少々わざとらしい気もするが。)(写真1参照)
さてこのへんでN.S.Wの近年開通した路線と将来の展望でもご紹介しましょうか?
2000年に行われて無事に閉幕したシドニー2000年オリンピック。
当初、シドニー中心とその国際的連絡地の空港間には鉄道以外の交通機関(バスやタクシーなど)でまかなわれていた。シドニー中心から約15キロの距離しかない? この連絡空港のキングス・フォードスミスエアポート。(日本の成田空港より近い。)年々の利用者増加と共に交通渋滞が問題になっていった。
大量輸送を得意とするのが鉄道である。2000年5月に開通し、その年の9月からこの新線がオリンピック輸送をきっかけとして現在も空港連絡を中心に運行中である。
近い将来の展望としては、シドニーとキャンベラ(首都特別区)との間に高速新線が登場する。1998年8月にフランスの新幹線システムを推奨していた企業連合組織が入札を落札したようだ。
このビックプロジェクトを"SPEED RAIL"と表現し、この区間の320kmを約1時間20分で結ぶ計画がある。新たなる時代の到来を予想する。旅客鉄道と航空機輸送との競争社会。
今後も目を離せない国と地域のオーストラリアであります。